“ラブソング”なだけじゃないラブソングになってくれたら。

 2021年4月26日に“THE BEAT GARDEN”が今年初となる新曲「遠距離恋愛」を配信リリースしました。同曲は、2012年に結成して以来、初めて“女性目線”で紡いだバラード楽曲に仕上がっており、作詞はU、作曲はMASATOが手掛けたナンバー。儚くもぬくもりを感じる、感涙の仕上がりとなっております。

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“THE BEAT GARDEN”のUによる歌詞エッセイをお届け!今回はその【後編】です。綴っていただいたのは、新曲「遠距離恋愛」のお話です。前編では、この楽曲の元になった“お出汁”なるものを明かしてくださいましたが、今回はそれを“解く”内容となっております。最後まで是非、歌詞と併せてお楽しみください…!

歌詞エッセイ【後編】:「遠距離恋愛

~後編 遠距離恋愛のお出汁を解きます~

「遠距離恋愛」という曲は
前編で記載していただいた
「遠距離恋愛のお出汁」を元に

歌詞を書いていきましたが

初めて女性目線のみの
フレーズや文章から
遠距離ソングを書き終わったあとに
なんだか違和感というか

うーん。
自分はどんな気持ちで歌えばいいのだろう
みたいなことになってしまって。


想像の
「わたし」や「あなた」の中に

現実の
「ぼく」と「きみ」をちゃんと入れて

もう一度歌詞を書き直していて、


例えば
これは一番サビのふた回し目ですが

①書き直す前

おやすみって切り出すのはいつも
決まって私が先なのは
あなたが少しでも“寂しいな”って
眠ってほしいなんて ずるいな


②書き直した後

あなたの今の毎日が
思うように進まなくなってしまえば
もう少しわたしを思い出すかな
なんて願ったら ひどいよね”



うん。書き直した後の方が
歌詞の通り “ひどい”です。

でも、大切な人の毎日の
“楽しい”や“嬉しい”の中に
自分がいなくなると
不安になるのが本音で

「わたし」の目線を借りて
今の自分の気持ちを
正直に言えた気がしました。


ここからは僕の私情なので
曲を聞く時には忘れて欲しいのですが

やっぱり

寂しいことがあった日は
悲しいことがあった時には

自分の作った音楽で
自分の歌うライブで
音楽以外でも握手や会話で

楽しいことがあった
嬉しいことがあったに
変わって欲しい

それが
他の人やミュージシャンだったら
いやだなと悔しいなと
思う。

だから
SNSやDMでも
楽しそうだと嬉しんだけど
それだけじゃなくて

遠距離と検索すれば
「別れる」と出るみたいに

いつか会えなくなってしまうかもしれないと
思ったりしています。




もう女々しいので。
この曲の話に戻りますが、

同じ街にいても
会いたい人には会えないし

今は
日本全体
世界全体が
距離以上の距離を感じながら
毎日を生きていて


だから
この「遠距離恋愛」という曲も

僕にとって
誰かにとって

“ラブソング”なだけじゃない
ラブソングになってくれたら。

そんな風に
この曲を信じています。


会いたいが

会いたかったに

変わる前に


「わたし」と「あなた」が

「ぼく」と「きみ」が

一日でも早く会えますように。


THE BEAT GARDEN
『遠距離恋愛』

<THE BEAT GARDEN・U>

◆紹介曲「遠距離恋愛
作詞:U
作曲:MASATO