「そんな仲間、今まで出会えなかったわ」って

 2019年3月27日に“ACE COLLECTION”が、1st digital Album『December 9』をリリースします。彼らは、たつや◎(Vo.&Gt)、LIKI(Gt)、奏(Ba)、RIKU(Dr)による4人組バンド。2017年12月9日に結成され、その日よりYouTubeでカバー動画の配信を開始。以降、約3か月にわたり毎日動画配信を行い続けました。すると、SNSでの口コミをきっかけにみるみる人気急上昇。YouTubeのチャンネル登録数は、わずか半年で10万人を超えたのです(現在の登録者数は13万人!)。

 そして2018年12月12日に、初のオリジナルシングル「鬱憤」をデジタルリリース。歌ネットの注目度ランキングでは2位を記録。LINE MUSICではリアルタイムランキング1位に君臨!さて、今日のうたコラムではそんな話題曲も収録されている最新作をご紹介いたします。今回はなんと、全曲の作詞・作曲を手がけている“たつや◎”さんに初の単独インタビューを敢行。第1弾、第2弾、第3弾に分けて、記事をお届けいたします…!本日は第1弾!

― たつや◎さんは、いつ頃から曲を作り始めたのでしょうか。

たつや◎:歌詞でいうと、最初に書いたきっかけは、高校2年生の頃に付き合っていた彼女と揉めたことでして…(笑)。なおかつ当時は、進路でも悩んでいて、自分は何をして生きていこうかな?と思っていた時期でもあるんですね。そのときみんなに「歌が良いじゃん!」って勧められ、じゃあ作ってみようかなと。カバーも考えたんですけど、本気で音楽で生活していくなら、やっぱりオリジナルがないとダメだと思い、作り始めましたね。


― その一番最初の歌詞はどんな内容だったのですか?

たつや◎:ひたすら「君の気持ちがわからないよ!」という愚痴です。何を考えているんだよ!こっちはめっちゃ好きなのに!伝わってないのかこの気持ちは!みたいな(笑)。

― 当時の彼女さんと揉めなかったら、また違う道に行っていたかもしれないわけですね(笑)。

たつや◎:今思うとそうですねぇ。でも初めての歌詞はその彼女がきっかけで書けたんですけど、もともと2歳から鍵盤はやっていて。作曲っぽいことも5歳くらいのときにしていたみたいなんですよね。最近聞いた話なんですけど、お母さんに怒られたりすると、自分の部屋にこもって鍵盤を弾きながら「ママが怒ってる~♪」とか歌っていたらしいです(笑)。

― また、ACE COLLECTIONというバンドは、名前の由来やカバー動画の撮り方、リリースの攻め方など、様々な面ですごく考え抜かれていますよね。

たつや◎:本当にうちは4人とも真面目で、夜な夜なずっと考えて、話し込んだりしているんですよ。ACE COLLECTIONを組む前は、それぞれ別のバンドを持っていたんですけど、ある日、ドラムのRIKUと焼き肉に行ったとき「俺らもう二十歳だぜ?これからどうするよ…」みたいな話をして。そこで「同世代で、同じような強い志を持っている奴らと組もう」って結成したのがこのバンドなんです。

で、もともと僕が作っていた歌は、わりと王道の歌モノだったんですね。だからやっぱり“ポップス”というジャンルに飛び込んで、戦っていきたいという意志を結成当初から4人とも持っていました。こう…日本のど真ん中に位置するバンドになりたいという気持ちで始めて、そこを軸にいろんなことを考えて続けている感じですね。


― そういうことを真剣に語り合える仲間って素敵です。

たつや◎:そうなんですよ!僕は高校2年生の頃から、いろんなバンドを組んできたんですけど、もうこのメンバーは特別ですね。「こんなにストレートに意見を言う!?そんな仲間、今まで出会えなかったわ」って。それぐらいぶつかりあって、話し合う4人なんですよ。だからなんか毎日「生きてるなー」ってめっちゃ感じるし、その熱さが俺らの良いところだなって思います。

― そんなACE COLLECTIONの1stアルバムの入り口となる「December 9」は、タイトルが結成日ですね。

たつや◎:はい、世に初めてACE COLLECTIONとして、4人が出た日。結成自体はもう少し前なんですけど、いろんなことを話し合って、その上で「俺らはまずYouTubeでやってみよう」と結論を出して、初めて動画を投稿した日が12月9日なんです。そこからの毎日更新は…なかなかしんどかったなぁ(笑)。

December 9
黒い絨毯の四角を埋めたヒーロー
過去さえぶっ壊して新しい風を巻き起こせ
「December 9」

― 冒頭のフレーズは、YouTubeの動画撮影のビジュアルを表しているんですね。毎回上から撮影されていて、まさに<黒い絨毯の四角>をメンバー4人が埋めていて。

たつや◎:そうそう。最初はよくあるPVみたいに、いろんなカットで良い感じに撮ろうしていたんです。だけど実際に撮ってみたらめっちゃショボくなってしまって。それで「なんか違くない? どうしよう。また1から考えないと…」って悩んでいたんですけど、僕が一旦トイレに席を立ったんですね。そうしたら、ふと「あ…上から撮るって良いんじゃない?」と思いついて。試しに天井にガムテープでカメラをくっつけて撮ってみたらいい感じで。そこから僕らは始まりました。

全てを捨てた僕ら失うものはない
光り輝く未来へ
「December 9」


― 始まりのときは、メンバーみなさん一度“全てを捨てる”という意識だったのでしょうか。

たつや◎:そうですね。もともと僕たちはACE COLLECTIONを組むまでずっと、ライブハウスでコツコツとやってきたからこそ、そこに誇りを持っていたところもあって。だから“YouTubeで動画配信をする”という決断に至るまでにめちゃくちゃ…葛藤があったんですよ。そこはそれこそ、とことん話し合いました。

その結果「そんだけ言うなら、今の時代はそういう戦い方もアリかもしれないから、一回やってみるか!」という道にたどり着いたんですけど、かなり大きな決断でしたね。しかも僕らはSNSを中心に本気で活動するために、一度ライブ活動をやめたんです。この「December 9」にはそういう覚悟や決意が込められていますね。


― ライブハウスという現場を離れて、SNSという新しい場所に飛び込む怖さもきっとありましたよね。

たつや◎:正直、めっちゃ怖かったです。先輩や仲間から「大丈夫か?」とかいろんな意見を言われたりもしましたし。でも結局、僕らは試行錯誤をして、土台作りをして、しっかりひとを集めて、自分たちの楽しいと思えることをするという軸を常に持っていたから。たとえ偏見のある言葉が飛んできても「まぁ俺らは俺らだし、頑張ろうぜ!」という気持ちでい続けることができましたね。そうやって4人で励まし合って、進んでくることができたのは、今も大きな自信になっています。

ワスレナグサ朝日が映す影が幸せそうだね
古き良き景色も良いけれど僕らだけの景色に乾杯
「December 9」

たつや◎:サビの頭には<ワスレナグサ>という言葉を入れたんですけど、これは花言葉を検索していたときに【真実の愛】という意味があることを知りまして。もはや僕らのこの強い関係を【愛】だと言い切って、結び付けてしまいたかったんですよね(笑)。

夏に交わった運命の線は点と点結んで
オセロの角を初めから四つ埋めるように
絨毯に舞い降りし騎士達かざした刀は
炉火純青よ
「December 9」

たつや◎:あと<炉火純青(読み:ろかじゅんせい)>という言葉は、だいぶ前に歌詞を書いていたとき、そんな会話を友達としたことがあって。それを思い出して、改めて意味を調べてみたら【炎が青色になると温度も最高に達するというところから、学問や技芸が頂点に達すること】を表すと。まさに僕らが目指すべきところじゃん!って、フレーズに入れました。

― たつやさんは、そういうワードの収集力が高いなと感じるのですが、どのようなところから歌詞のインスピレーションを得ることが多いのでしょうか。

たつや◎:うーん。インスピレーションとはまた違うんですけど、メロディーと歌詞を同時に作る場合、音に一番ハマるような言葉を探して、こういう単語を見つけていく感じなんですよね。たとえば<舞い降りし騎士達かざした刀は>って、テンポが良いじゃないですか。そうするとまず、そのフレーズのあとにふさわしい母音交じりのメロディーが頭のなかに浮かんでくるんです。で、たどり着いたのが<炉火純青>というワードだったり。

あと、サビは<ワスレナグサ>で“あ”の母音からワッと強く始まりたいけど、オチサビでちょっと優しい、エロティックな雰囲気を出したかったから、あえて“い”の母音も多く使って、口を閉ざしたような感じで表現したりとか。そういう“音として”の言葉の使い方を考えながら、歌詞を書くことは多いですね。

【第2弾に続く!】


◆紹介曲「December 9
作詞:たつや◎
作曲:たつや◎・LIKI

◆1st digital Album『December 9』
2019年3月27日配信リリース

<収録曲>
M-1 HELLO WORLD
M-­2 December 9
M-­3 鬱憤
M-­4 Lady
M-­5 君と花したい
M-­6 Butterfly
M-­7 BLACK HOLE
M-­8 LIFEメーカー
M-­9 ROCK STAR

配信先URL

<TOUR情報>
ACE COLLECTION
Bright Tour 2019

日時:2019年6月4日(火)開場18:00 / 開演19:00
会場:大阪BIG CAT

日時:2019年6月6日(木)開場18:00 / 開演19:00
会場:Zepp Diver City

チケット情報