「好きでした」じゃなく「好きです」と言えるように。

 デジタル時代の恋愛ソングのカリスマとして、女性から圧倒的な支持を得るシンガーソングライター“CHIHIRO”が『失恋セラピー三部作』としたデジタルシングルを3ヶ月連続でリリース!恋愛迷子になってしまった女性に向けた恋愛処方箋となるような楽曲たち。2021年9月15日には、第1弾配信シングル「もうByeBye」をリリース。10月20日には、第2弾配信シングル「後悔のまえに」をリリースしました。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“CHIHIRO”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け!今回は第1弾です。綴っていただいたのは『失恋セラピー三部作』の楽曲に通ずる想いです。恋がいつも後悔で終わってしまうあなたへ。「~だったら」「~していれば」と“たられば”ばかりを考えて涙しているあなたへ。是非、このエッセイを新曲とともに受け取ってください。

~歌詞エッセイ第1弾~

「好きでした」

私の片思いはいつもこれで終わる。
しかも心の中でつぶやいて言葉にすることもなく。

とにかく自分に自信がない。

こんな私が好きになっちゃダメだ
こんな私を愛してくれるわけない
呪文のように呟いてた。

なりたい自分もなれそうにないし
キラキラしたSNSも持ってない。
いつも「私なんて」が先に来てしまう性格だった。

今日突然片思いが終わった。
1年と3ヶ月片想いしていた彼に
彼女が出来たと聞いた。

彼は私が好きなことを知らないし
私もそんなそぶりを見せなかったから
気づかれてもいないと思う。

「そうなんだ、よかったね…」

この一言を振り絞って
中途半端な笑顔を作って返事した。

“たくさん共通点があったのに
理由つけてデートに誘えばよかったな”
“笑顔とか話し方とか気をつけて
もっと女の子として見られたかったな”

帰り道出来なかったことをぼんやり考えながら
家に着いた。
電気もつけず真っ暗な部屋でベッドに潜り込んだ。

「あぁ…終わっちゃった」
声も出ないままただ泣いてた。
泣いてたらめちゃくちゃ好きだったんだって気づいた。
もう遅い、遅すぎた。
溢れた感情が夜を濡らした。

泣きすぎて目が開かなかった朝。
ファンデーションとコンシーラーで一生懸命
誤魔化しながらいつもより長めのメイクをした。

彼女はきっと可愛いんだろうな。
もっと私も可愛くなろう、心も見た目も。

小さなドレッサーの汚れた鏡を拭いていたら
自分の心も少しだけ綺麗になったように感じた。

もうこんな顔して泣きたくない。
もしまた恋をしたらやれることをやろう。

いい加減に変わらなきゃ。
自分のこと好きな自分でいたい。

何も出来ないまま終わる恋なんてしたくない。

「好きでした」じゃなく
「好きです」と言えるように。

―後悔する前に動こう―

<CHIHIRO>