歌い終わり、涙の原因はすぐにわかった。

 2020年11月4日に“eill(エイル)”がミニアルバム『LOVE/LIKE/HATE』をリリース!昨年、1stフルアルバム『SPOTLIGHT』をリリースし、注目を浴びた彼女。今年の前半は、韓国の人気女性グループEXIDやNEWSへの楽曲提供、m-flo、さなりとのコラボなど自身のリリース以外で話題を届けました。新たなチャレンジで進化を遂げた、今、注目のシンガーソングライターの最新作。じっくりとご堪能ください…!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“eill”による歌詞エッセイを2週連続でお届け!今回はその【前編】です。綴っていただいたのは新曲「片っぽ」にまつわるお話。歌詞先行公開中であり、注目度ランキングの最高位2位も記録しているこの曲。誕生には、どのような想いと背景があるのでしょうか…。

~歌詞エッセイ【前編】:「片っぽ」~

2020.5.31

今日も眠れないまま朝が来る
生暖かい風
眩しい朝日
窓を開けて息を吸った瞬間
突然、大粒の涙が崩れ落ちた。



曲がかけない私は、ただの抜け殻で、無意味だ。

大嫌い。

と同時にいつも感じてしまうのは
ひとりぼっち。という感情。

私のことを待ってる人なんていない。
信じてくれるひとなんて誰もいない。

きっと本当は、沢山の人が側にいてくれて
私を信じてくれてると思う。

でも、一番大事なのは
自分が自分を信じられてるか、なのだろう。



もう朝の9時。
頑張って寝ようと、ベッドに入る。
止まれ、止まれ、
全然止まらない。
雨のように泣き続ける自分に
嫌気がさして、手垢がついた鍵盤の前に座ってみる。

「怖い。」
サビ前のコードを鳴らすと
今日も、きっといいサビはできない。
そんな気持ちがよぎって怖くなる。

大きく息を吸った。

「痛くて、甘いのさ
君の抜け殻が
いつかの今日を完璧に作り出してる。
ああ、願わくば、気づかなきゃよかった。
片っぽな恋に心が破てる前に。
…ねぇ、、、ねぇ、、、。

飾った向日葵、花びらが落ちて落ちて
止まらないの。」

歌い終わり
涙の原因はすぐにわかった。

ずっと目を逸らしてきた、片っぽな恋。
蓋をしてきた、あの夏。

止まらない涙と、止まらないメロディーが
片っぽに鳴り響いた。

<eill>

◆紹介曲「片っぽ
作詞:eill
作曲:eill

◆ミニアルバム『LOVE/LIKE/HATE』
2020年11月4日発売
DDCB-12368 ¥2,300+Tax

<収録曲>
01.踊らせないで
02. 片っぽ
03. Into your dream
04. FAKE LOVE
05. Night D
06. 夢の続き
07. 2025
08. SPOTLIGHT - KanInoue (WONK) Remix -
09. with U