ストーリーテラー・JUJUによる4つの【Theater】をご堪能あれ…!

 2020年にデビュー16周年を迎えた“JUJU”がベストアルバム『YOUR STORY』をリリースしました。全52曲入り、4枚組の今作。各DISCに【Theater RED】【Theater PURPLE】【Theater PINK】【Theater BLUE】とテーマを設け、一人一人の物語が紡がれております。今回は、そんなストーリーテラーであるJUJUにメールインタビューを敢行…!自身の転機となった「奇跡を望むなら...」や現在の心境にいちばん近いという「STAYIN'ALIVE」について、さらに彼女自身の“人生の主題歌”もお伺いしました!あなたにとっての“人生の主題歌”となるJUJUソングはどの曲ですか…?

(取材・文 / 井出美緒)
STAYIN'ALIVE作詞:磯貝サイモン 作曲:湯原聡史華麗に咲く花なら華麗に散っていけ
やり直せないミステイクも 笑い飛ばせたらスパイス
遠回りしたって損じゃない 理想ってなんだっけ?
一度きりの今なんだから 命枯れるまで逃さないでチャンス
もっと歌詞を見る
その二つのフレーズはNYでやみくもに制作していた私たちの祈りだった。

―― 今作に向けたJUJUさんの公式コメント内の「デビュー当初は誰に向かって歌っていいのかわからなかった時もありました」との言葉が印象的でした。当時は何故“わからなかった”のでしょうか。

デビューした頃は、誰かがJUJUに興味を持ってくれているかどうか自信もなかったですし、不安ばかりだったのです。こどもの頃から歌うのは好きだけれど人前に出るのはとても苦手だったので、JUJUとしてこれからは矢面に立ち続けるんだなぁという漠然とした恐怖もありました。

―― デビュー当初はどんな音楽を届けていくアーティストになりたいと思っていましたか?

ジャンルにこだわらず、とにかく格好良い音楽を作りたいと思っておりました。

photo_01です。
Photo by Hajime Kamiiisaka

―― JUJUさんが人生でいちばん最初に書いた歌詞は覚えていますか?

覚えています。実家のエレクトーンで作りました笑。会えなくなってしまった昔の恋人への曲…いまだに歌えます!!

―― 代表曲「奇跡を望むなら...」は、JUJUさんの音楽観に大きな影響を与えた楽曲であると拝読しました。この歌のリリース時は、最初からそれまでとは違った想い・アプローチの仕方があったのでしょうか。

仮歌の時点から、作詞・作曲を手掛けたE-3が<奇跡を望むなら>と<夜明けを待ちながら>の部分だけ歌詞が出来ていて、今になってみるとその二つのフレーズはNYでやみくもに制作していた私たちの祈りだったんじゃないかと思います。

―― 「奇跡を望むなら...」への反響のなかで、とくに響いた言葉はどんなものでしたか?

「癒されました」という声は、人生で初めて言われたのでビックリしましたし、嬉しかったです。この曲のおかげで聴いてくださる方々の存在を初めて知ることが出来たし、ひとりじゃなかったんだと思えるようになりました。そして、好きだから歌うんじゃなく聴いてくださるみなさんが聴きたいと思うものを歌う人でありたい、と思うようになりました。

―― 16年の活動のなかで、様々な環境や心境の“大きな波”も何度かあったかと思いますが、「一番イイ波が来たな!」と感じた時期、逆にスランプを感じていた時期というと?

スランプはいつだって…(苦笑)。とはいえ、NYであてどもなく制作していた時が最大のスランプです。ゴールのないマラソンは本当に辛かったです。でもあの頃の苦しみがあったからこそ今があるので、あれも良い思い出です。諦めないことの大切さを学びました。一番良い波は今でも波待ち中です!!

―― アーティストとして、または人として、JUJUさんが貫いてきたこと、逆に変わってきたことをそれぞれ教えてください。

音楽的にも人としても常にしなやかでありたいとずっと思っています。今までもこれからも。

―― JUJUさんにとっての座右の銘になっている言葉はありますか?

豪放磊落、余裕綽綽。

123次のページ