ここにぶつけて書いてやろうと書いたのがこの曲です。

 2021年5月26日に“um-hum(ウンウン)”が1st mini album『[2O2O]』をリリースしました。彼らは2020年関西最大の音楽コンテスト<eo Music Try19/20>でグランプリ受賞。急速に注目を集める、結成1年半の平均年齢21才大阪発4ピースバンドです。今作には、全8曲を収録。3日間で一気にレコーディングを終え、彼らの初期衝動が詰まった現時点での最高傑作となっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“um-hum(ウンウン)”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は最終回。執筆を担当したのは小田乃愛(Vo)です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「Ungra」のお話。コロナ禍、本当か嘘かもわからない様々な情報が溢れるなか、飛び交う思いやりのカケラもない言葉たち。現実を目の当たりにしながら、小田乃愛が歌詞に込めた本音を明かしてくださいました。歌詞と併せて受け取ってください。

~歌詞エッセイ最終回:[2O2O]1曲目、「Ungra」という曲。~

「Ungra」は、um-humとしては“キャッチーな曲”として作られた分、当時自分が一番伝えたい事を歌詞にしたいと思って書いたものです。

ここで「Ungra」を出した時、ライブの物販スペースに“小田脳ート”というノートを置いたのですが、そこに書いたものを載せます。



202007~
公の世の素敵な方々が亡くなる中で 色んな情報が自分のスマホに流れてきて、それを見ているとなんだか不安になりました。世の中こういうもんなのか。心無い言葉、冷静になれない言葉が、連鎖していました。

自分でよく考えて行動するということを出来てない人達が情報に集って群れている気がする。なんか終わってんな。しかもこれが後に何度も繰り返される、なんだか恐ろしいなと思った。 

謂わばインターネットの時代、変えていくなら自分達しか居ないよなと思った。「この世には色んな人がいるから、こういうのはこの先も終わらない」とかそんな事言うけど、じゃあどうやって歴史は変わっていったと思ってるんだ。こんな事を思うばかりである。

自分はこういう事は心にしまっておきたい人なのですが、どうにか伝えられるよう、自分が歌詞を書いて、ここにぶつけて書いてやろうと書いたのがこの曲です。

例えばこの曲のサビに「助けが身を滅ぼす」という、聞いただけではまぁ凄い大袈裟なワードがあるんですけど。こんな感じで、この曲の歌詞全体を通し、耳にすんなり入っていかない歌詞にすることによって、視聴者を考えさせるような歌詞にしようと思ったんです。聴いた人が自分で答えを見つけていくように.

皆さま各々の考え方、各々の感性で、この曲の答えを見つけてくれたならば、私はこの曲の歌詞を生み出した甲斐があったと心底思います。

この曲の歌詞の言葉に、これからも責任を持って歌います。見てくださってありがとうございました。



と、1ページに纏めてこんな感じでした。


「助けが身を滅ぼす」という歌詞を作るのにめちゃくちゃ時間をかけたのを思い出しました。このサイトに書かせていただいた前作で後輩の話をしたのですが、その後輩とコメダ珈琲店へ行った際に作った歌詞が「戯言、豆の煮物」だったことも思い出しました。

人の真実かどうかもわからない情報を聞けば聞くほど、見れば見るほど、その情報をあたかも“本当の事”と受け取る人が多いよな、自分で考えろよ。ってマクドで女子高生が言ってました。

<um-hum・小田乃愛>

◆紹介曲「Ungra
作詞:Oda Noah
作曲:R.ioka

◆1st mini album『 [2O2O]』
2021年5月26日発売

<収録曲>
01 Ungra(2O2Over.)
02 芥
03 Yawning
04 JoJo(2O2Over.)
05 続予報
06 20??
07 space interval
08 secret track