ため息の多い日は、自分が好きなもので満たしたい。

 2022年12月7日に“大原櫻子”がニューアルバム『FANFARE』をリリースしました。今回のアルバムビジュアルは、ジャンヌダルクの様な“強く生き抜く女性”をイメージして撮影制作したとのこと。初の赤髪ビジュアルで、タイトル含め大原櫻子の強い意志を感じるアルバムパッケージとなっております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな大原櫻子による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作の収録曲であり、大原櫻子自身が作詞作曲を手掛けた新曲「ふわふわ」にまつわるお話です。みなさんは明日も元気で過ごすため、自分をもう一歩愛するための、“特別”ってありますか…? ぜひ歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。



忙しない日々、
どれだけ、自分と向き合う時間を作れているだろう。
明日も元気で過ごせるように、
1日の締めくくりは笑顔でいたい。
 
 
夜に光る赤提灯。
1日の“終わり”の“始まり”を実感する。
 
 
「いらっしゃいませ」が、いつからか、
「おかえりなさい」に聞こえるようになっている。
 
まだ何も頼んでいないわたしにそっと差し出された飲み物。
 
「今日もお疲れ様です」
「今日も」の「も」が、私と店主の親しみの表れ。
「お疲れ様です」
働いている店主さん目の前に、
ゴールドの輝き。
一足先に、「いただきます」
 
…美味しい。
 
一日働いた私の髪は、いわゆるボッサボサ。
その日の頑張りを全力で表現しているみたい。
恥ずかしいけれど、慣れ親しんだこの場所で隠す必要もない。
 
夕ご飯にしては、早めの時間。
静かなお店で「乾杯」と大きな声を上げる場は、最近は夢で見るくらい。
今は、ひっそりと、1人時間を楽しむばかり。
 
世界が大混乱になってから、3年。
忙しく働いていた人間が、一時は自宅待機などで何も出来ない時間を過ごした。
そして今は、その失われた時間を取り戻すように、働き始めている。
自分を見つめ直す時間が減っているように見える。
 
 
ご褒美。
これは“甘え”ではなく、明日の自分を愛するためのプレゼントだと思う。
 
ため息の多い日は、自分が好きなもので満たしたい。
 
「失礼します」
もう一つ運ばれてきた、わたしの好きなもの。
 
子供の時は、脂なんて気にしていなかったけど、今は大人。
さっぱり、もっぱら赤身肉。
赤身とはいえ、ジューシーさは、120点満点。
悩みも嫌なことも、甘い肉汁が、優しく包んで流してくれる。
 
ビール、お肉、ビール、お肉…
 
こうして、私は、明日も元気に頑張れる。
「こんなに幸せ♡ いいのかしら?」と思える日をちょっと設けるだけで、
自分を愛せる一歩に繋がると信じてる。

<大原櫻子>



◆紹介曲「ふわふわ
作詞:大原櫻子
作曲:大原櫻子

◆New Album『FANFARE』
2022年12月7日発売
配信サービス一覧:https://jvcmusic.lnk.to/fanfare
 
<収録曲>
1 Fanfare
2 笑顔の種
3 ポッピンラブ!
4 Greatest Gift
5 愛のせい
6 寄り道
7 ふわふわ 
8 それだけでいい
9 Door
10 初恋