送られてきたエンディングの完成映像を見て胸が熱かった。

 2020年11月4日に“坂口有望”がニューシングル『セントラル』をリリース!タイトル曲は、TVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』ED曲として書き下ろされた1曲です。儚さと力強さを併せ持った歌声で彩られ、柿澤秀吉(秀吉)による疾走感溢れるアレンジも魅力のシリアスロックチューン。また、コロナ禍をテーマにしたEDMナンバー「2020」、寒くなる季節にぴったりのセンチメンタルなバラード「クリスマスエレジー」、2曲のカップリングにも注目…!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“坂口有望”による歌詞エッセイを、3ヶ月連続でお届けいたします!今回はその第1弾。綴っていただいたのは、タイトル曲「セントラル」についてのお話です。主人公・ボルトのイメージや生き方をどのように歌詞に昇華させたのか。是非、エッセイでその想いを受け取ってから、楽曲を聴いてみてください…!

~歌詞エッセイ第1弾:「セントラル」~

 さて、19歳にして2度目のエッセイ。中学の時、国語の授業で「エッセイとは何か?」を習ったその日、自分なりのエッセイに挑戦してみようという課題が出た。授業の本題、エッセイとは何かはもう忘れてしまったけど、宿題でつくった自作「分数の線に定規を使うような小学生だった。」という書き出しが、我ながらお気に入りで、今でも覚えている。

 今月から3回にわたって、何を書こうかと悩んだ末、11月4日リリースの4th Single「セントラル」の収録曲について綴ることにした。ライブや取材の機会も制限される今、この場をお借りして、毎月1曲ずつ、たっぷりと伝えさせてください。わたしのこんがらがった頭の中を、読者の皆様に面白がってもらえたら嬉しいな。

 聴けばすぐにわかる。今回のシングルは、性格も見た目も全く違うような3曲が詰まった1枚になっている。それらを引っ張っていく、表題曲「セントラル」について。

 この曲は、10月からのTVアニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のエンディングテーマである。BORUTOのために書き下ろした曲だが、サビの1行目<飛び込んでいけ>のフレーズだけは既にストックしていたものだった。
 
 小さい頃から、兄の影響でNARUTOは身近な存在だったし、BORUTOについても人並みの知識は持っていた。そんなわたしが、ボルトに対して抱いたイメージは、「自ら台風に飛び込むような無鉄砲な少年」だったので、その「飛び込んでいけ」という言葉はあまりにもマッチしてしまったのだ。ただ、その1行から肉付けていくとはいえ、わたしにはまだ十分な理解がなかったので、NARUTOシリーズの大ファンであるマネージャーさん(ここからは愛称のダイナさんと表記)から入念にヒアリングを行った。
 
 まず、ボルトが親(ナルト)の七光りを煙たがっていることに目をつけた。彼は、本来なら危険を犯す必要などないのだ。それでも、自ら飛び込んでいく、これがポイントになった。そして、タイトルになっている「セントラル」。これは「中心の」という意味だが<セントラル 目を奪いに走る>という歌詞は、飛び込むだけで終わらず自らが台風の目になって、周りをいい意味で巻き込んでいくボルトの生き方を描いた。
 
 ダイナさんと、原作に照らし合わせながら筋が通っているか修正を重ねた分、これまでの曲の中で一番時間をかけた歌詞かもしれない。完成後、わたしたちは送られてきたエンディングの完成映像を見て胸が熱かった。歌詞を一つ一つ噛み砕いて、描いて頂いた絵に違いなかったからだ。さらにわたしは、自分がダイナさんに夢の一部のようなものを見せることができたのかもしれないと思ったから。そしてその時、まさにボルトのように、もっと沢山の人たちを巻き込んでいける大人になろうと誓った。

<坂口有望>

◆紹介曲「セントラル
作詞:坂口有望
作曲:坂口有望

◆ニューシングル『セントラル』
2020年11月4日発売
初回生産限定盤 ESCL-5448~49 ¥2,000(tax in)
通常盤 ESCL-5450 ¥1,300(tax in)
期間生産限定盤 ESCL-5451~52 ¥2,000(tax in)

<収録曲>
1.セントラル
2.2020
3.クリスマスエレジー
4.セントラル -TV Size-(期間生産限定盤のみ収録)