今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。

 2020年6月17日に“フレンズ”が、TVアニメ『ハクション大魔王2020』エンディングテーマの新曲「あくびをすれば」をリリース!今年6月でバンド結成5周年を迎えた彼らの一発目のシングルとなる本作のタイトル曲は、“アニメと共に最後まで楽しんで欲しい”という思いを込めて書き下ろされたリズミカルで爽快なナンバーとなっております。

 ポップで楽しい世界観に加え、アニメと連動した遊び心溢れるフレンズらしい新ビジュアルとアートワークにも是非ご注目を!さて、今日のうたコラムでは、ニューシングルリリース&バンド結成5周年を記念して、フレンズの“おかもとえみ”が歌詞エッセイを執筆!【前編】と【後編】でお届けいたします…!【前編】に続く【後編】で綴っていただいたのは、今作の収録曲「A.S.A.P. (フレンズcover ver.)」にまつわるお話です。幼い頃、聴いたことがある曲。大人になってから改めて歌詞を読んでみると、どんな感情が生まれるのでしょうか…。

~歌詞エッセイ【後編】~

カラオケが好きだ。

いくらステージに立ってもカラオケはまた別。誰かの曲を何にも縛られず自由に歌うカラオケならではの雰囲気が好きだ。音程を外したって構わない。自分が心地よくその場の空気に乗りながら歌う心地よさ。好きな曲が流れたらその場にいる仲間と盛り上がる一体感。マイクリレーなんかしちゃったりして。

小学校の頃は近所の“オンチッチ”というカラオケ店に良く行った。子供たちと、その親と同じ空間を楽しんだ。その時に友達のお母さんが歌っていた高橋真梨子さんの「桃色吐息」はいまだに鮮明に思い出せる。今思うと、私が歌謡曲を好きになったきっかけだったかもしれない。

短冊CDと呼ばれた8cmシングルをよく買ってた。謎のプラスチックの網網がすぐぽろっと取れてしまうもどかしさ。開けばすぐ見える歌詞は歌を覚えるのにとっても好都合だった。開閉しすぎて紙で出来たジャケットがぼろぼろになっていく儚さも含めて好きだった。

その中に石橋貴明さんと工藤静香さんのユニット“Little kiss”の「A.S.A.P」という曲も含まれている。この曲を知った頃はまだ歌詞の意味も、英語も読めない幼い少女だったけど、妖艶な2人の雰囲気と、大人の魅力がビシビシ伝わってきて、意味を理解できずにもハマっていった。

大人の魅力に興味を持ち始めたのは、いとこの影響も大きい。篠原涼子さんの「愛しさと切なさと心強さと」を、4歳の時にひらがなでノートに歌詞を書いてもらったことは歌が好きになる要因の一部だった。

未だ見ぬ先の先の話、夢みたいな歌詞、なんて思ってたらあっという間に「A.S.A.P.」を歌ってた頃の工藤静香さんの年齢になっていた。

今この歌詞をみてどんな解釈になるのかな?と思いじっくり眺めてみた。…やっぱり小学校の時に感じた大人な魅力のままだ。あの頃よりかは理解は出来るようになったけど、それでもまだ大人を感じる。キスに対する感情、男女の心の揺らぎ、どこをとってもはるか上の経験値。

この曲はカラオケで必ず歌う。石橋貴明さんを完コピした友達と2人で歌うのが最近の鉄板だ。そしてフレンズでもこの曲を歌うことになった。カラオケではなく、自身の中に取り入れて、自分の歌声に乗せてたくさんの人に届けるために。自由な歌からひとつ踏み出した歌声で。

今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。背伸びしているのか、それとも経験者のように?

<おかもとえみ>

◆紹介曲「A.S.A.P. (フレンズcover ver.)
作詞:秋元康
作曲:後藤次利

◆「あくびをすれば」
2020年6月17日発売
通常盤 AICL-3811 ¥1,500+税
アニメ盤 AICL-3812 ¥1,500+税