4月、日々過ぎ去っていく出来事が、一時を照らす蛍のように感じた。

 2020年12月9日に“リュックと添い寝ごはん”が1stフルアルバム『neo neo』をリリースしました。ジャケット写真は、真冬のリリースでありながら夏のビーチを感じさせるデザインとなっております。今作には「海を越えて」や「渚とサンダルと」など海を連想させるタイトルの楽曲も収録。一体、どんな内容のアルバムなのでしょうか。じっくりとご堪能あれ…!
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“リュックと添い寝ごはん”の松本ユウさんによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作の収録曲「ほたるのうた」のお話です。自粛期間に生まれたこの曲。みなさんは、それぞれの場所でどんなことを考えながら過ごしていましたか? 世界で独りぼっちに感じるときは、ぜひエッセイと併せて歌詞を読んでみてください。

~歌詞エッセイ:「ほたるのうた」~

自粛期間 部屋で一人 この曲をかいた

“蛍のように小さな僕は 一人部屋で紡ぐメロディ”
“灯る蛍を眺めて逃がす 二度と灯らぬ蛍”

4月 日々過ぎ去っていく出来事が 一時を照らす蛍のように感じた。そこには寂しくも微かな希望があった。その光を見ながら部屋から一人 言葉を紡ぐ蛍。それは紛れもなく僕だ

“透明のままだから 何にでもなれるから”

こんな言い訳がましいことは言いたくないけれど心のどこかではそう思っていた。この先自分はどうなるのか そんな不安が頭をよぎる。

常に流されていた 流されながら心地の良い居場所を見つけることに必死だった でもそれがいいのかもしれない 流されて辿り着く場所は自分が想定していない場所 何かに固執しすぎないくらいがちょうどいい

“出会い別れ繋ぐ蛍は大切な道しるべ”

メジャーという場に進出することは不安だった。でも不安は神様が僕に変わるチャンスを与えてくれている。そう考えるとそんな不安はどこか心の隅の方へと隠れる 神様はチャンスを与えるだけだ それをどう受け止めるかは自分次第、だから僕は新しい出会いを大切に 日々を生きようと決めた。


自粛期間 自然と触れ合う機会がめっきり無くなった。部屋の中にいた僕は徐々に何か開放的なものを求めていった それは生活の中だけではなく聴く音楽 作る音楽にも影響した。窮屈な生活の中で開放的な曲を聴き 作る この生活の繰り返しで僕は自然の中で色んな人と音を楽しみたいと感じた。

今回のアルバムはそれを表現する作品でもある。これからやりたい音楽や新しい出会いを求めるリュックと添い寝ごはんが惜しみなく詰まっている。

<松本ユウ>

◆紹介曲「ほたるのうた
作詞:松本悠
作曲:松本悠

◆1stフルアルバム『neo neo』
2020年12月9日発売
完全生産限定“メジャーデビュー記念盤” VIZL-1825 ¥2,900+税
通常盤 VICL-65439 ¥2,400+税

<収録曲>
1. 海を越えて
2. PLAY
3. グッバイトレイン
4. ホリデイ
5. ノーマル
6. 生活
7. 23
8. 渚とサンダルと
9. あたらしい朝
10. ほたるのうた